斜頭症「そのうち治る」と言われた赤ちゃんの頭の変形、放置するとどうなるか? - 頭の形整体 整体いずみ

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斜頭症「そのうち治る」と言われた赤ちゃんの頭の変形、放置するとどうなるか?

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結論

「そのうち自然に治る」とは、すべてのケースに当てはまるわけではありません。国内外の研究データを見ると、軽度であれば自然に目立たなくなるケースがある一方、中等度〜重度の場合は自然経過だけでは改善しないまま残ることが多いことが報告されています。放置するかどうかを判断する前に、まずは重症度を専門家に評価してもらうことが重要です。

 

理由・根拠となる研究データ


1. 有病率は年齢とともに下がるが、「治った」とは限らない

2008年にオーストラリアの研究者らが発表したシステマティックレビュー(Bialocerkowski et al., *Developmental Medicine & Child Neurology*, 2008年8月)によると、位置的頭蓋変形(斜頭症)の有病率は**生後7週で最大22.1%、2歳時点では3.3%まで低下する**と報告されています。ただし著者らは、これは「見た目上目立たなくなる」ケースが多いことを示すデータであり、個々の赤ちゃんの変形が医学的に完全に正常化したことを保証するものではないと指摘しています。

 

2. 日本の研究:重度斜頭症の66%は、経過観察だけでは改善しなかった

日本国内で行われた研究(*Journal of Clinical Medicine*, 2021年8月11日公開、doi: 10.3390/jcm10163531)では、3Dスキャナーで重度斜頭症(頭蓋非対称指数 CA>12mm)と診断された赤ちゃん56人を、ヘルメット治療を行わずに経過観察した結果、約66%は重度のままだったと報告されています。「重度の斜頭症は、放置しても自然に軽快しないケースの方が多い」ことを示す、日本発のデータです。

 

 

3. カナダの長期追跡調査:5歳時点でも4割が「見た目の異常」を保護者が実感

カナダの研究(Hutchison et al., *Child's Nervous System*, 2007年)では、乳児期に斜頭症と診断された子ども65人を5歳以上まで追跡調査しました。保護者による評価では、**「非常に異常」が2人、「軽度の異常」が25人、「正常」が38人**という結果でした。つまり、5歳時点でもおよそ4割(27/65)の保護者が何らかの見た目の異常を感じていたことになります。「髪が生えれば気にならなくなる」とは限らないことを示す長期データです。

 

4. 中等度〜重度は、学齢期の認知・学業成績にも関連する可能性

*The Journal of Pediatrics*(2019年7月)に掲載された研究では、乳児期に中等度〜重度の位置的頭蓋変形(斜頭症・短頭症)があった子どもは、学齢期の認知・学業テストのスコアが対照群より低い傾向が見られたと報告されています。一方、**軽度のケースでは対照群との有意差はなかった**とされており、重症度によって影響が異なる「用量反応関係」がある点が特徴です。この研究は保護者を安心させる面(軽度なら心配しすぎなくてよい)と、中等度以上は注意が必要という面の両方を示しています。

 

5. ヘルメット治療と経過観察の比較:ヘルメット群の改善率68%

ヨーロッパの研究(*International Journal of Pediatric Otorhinolaryngology*, 2013年)では、ヘルメット治療を行った62人と、行わずに経過観察した66人を比較しています。結果として**両群とも変形の程度は改善したが、ヘルメット治療群の改善率は68%**と報告されています。なお、経過観察群の具体的な改善率は要旨からは確認できませんでした。

 

 

まとめ:放置するとどうなるか

- 有病率のデータ上、月齢が上がるにつれて目立たなくなるケースが多いのは事実(Bialocerkowski, 2008)
- しかし「重度のケースに限ると、経過観察だけでは約66%が改善しなかった」という日本の研究結果がある(2021年)
- 5歳時点でも約4割の保護者が見た目の異常を感じていたという長期データもある(Hutchison, 2007)
- 中等度〜重度は学齢期の認知・学業面への関連も報告されている(2019年)

つまり「そのうち治るよ」という言葉は、軽度のケースには当てはまることが多い一方、中等度〜重度のケースにそのまま当てはめるのはリスクがある、というのが現時点の研究データから言えることです。気になる場合は、まず重症度の評価を受けることをおすすめします。

 

※本記事は上記論文・研究データに基づく一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的診断や治療効果を保証するものではありません。お子さんの状態については、必ず医師や専門家にご相談ください。

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出典一覧

1. Bialocerkowski AE, et al. "Prevalence, risk factors, and natural history of positional plagiocephaly: a systematic review." *Developmental Medicine & Child Neurology*, 2008年8月. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1469-8749.2008.03029.x
2. "Natural-Course Evaluation of Infants with Positional Severe Plagiocephaly Using a Three-Dimensional Scanner in Japan." *Journal of Clinical Medicine*, 2021年8月11日. doi: 10.3390/jcm10163531 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8396888/
3. Hutchison BL, et al. "Long-term outcome of infants with positional occipital plagiocephaly." *Child's Nervous System*, 2007年. https://link.springer.com/article/10.1007/s00381-007-0373-y
4. "Positional plagiocephaly/brachycephaly is associated with later cognitive and academic outcomes." *The Journal of Pediatrics*, 2019年7月. https://www.jpeds.com/article/S0022-3476(19)30525-6/fulltext
5. "Treatment of positional plagiocephaly – Helmet or no helmet?" *International Journal of Pediatric Otorhinolaryngology*, 2013年10月15日. https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1010518213002710

 

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